岩手移住がきっかけとなり、日本の大多数を占める“地方”が気になりはじめた。
それはたぶん、今、地方と呼ばれる場所が大きく変わろうとしているからだと思う。

山村が過疎化する、あるいは郊外化する…。地方が変化していく姿は様々な部分で見られるが、何よりも変わろうとしているのは、地方で暮らす僕たち自身なのかもしれない。
「変わらないことを切に願いながらも変わりゆくことを狂おしいほどに欲する」
この土地で新しい世紀を生きる僕たちは、新旧の価値観の狭間で揺れつつも、変わりゆくことを決意し、歩き始めたのだと感じる。

僕たちが新しい世界を得ようとする行為は、もしかしたら先人が培ってきた世界を捨て去る行為なのかもしれない。
「僕たちはもう、彼らの古い知恵に頼らずとも生きていける」
たとえ、この感覚が間違っていたとしても、そう信じさせるのが「今」という時代なのだと思う。

大切な何かを得るためには、大切な何かを捨て去ることだ。生きることは、その繰り返しだと感じる。だからこそ、今、この土地で僕たちは何を得て、何を捨てようというのかを、他者に気気づかされるのではなく、自らで考えたい。
この土地に暮らし、この土地の今を見つめる理由はそこにある。